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出産後2~4日後におっぱいが張り始めます。この時点で乳線が開通していれば問題なくおっぱいが出てくるのですが、開通していない場合、おっぱいがたまってしこりとなります。
しこりができてくると、痛みとして感じるようになります。

しこりができた場合・・・
①とにかく赤ちゃんに吸ってもらいましょう。
乳輪部間で固くなっている場合は、赤ちゃんが吸えるようにあらかじめ柔らかくしてあげましょう。
おっぱいの一部にしこりができている場合は、いつもと違った抱き方で飲ませてあげましょう。これだけでしこりが取れることがあります。
赤ちゃんがいやがって泣いたり、途中で眠ってしまうようなことがあっても、刺激して起こしながら片方10分を目安に授乳してください。

②乳首のマッサージをしましょう。
乳線を開通させるためには、乳首のマッサージが大切です。乳輪部を含めて押しつぶすようにマッサージします。自分で“痛い”と感じるくらいの力でマッサージしてください。授乳前はもちろんのこと、一日中マッサージしていても良いくらいです。

③どうしてもしこりが取れず、痛みを感じる場合。
痛いところだけを局所的に冷やします。ぬれタオルくらいの冷たさでお願いします。氷やアイスノンを使うと、張りが弱くなってきますのでご注意ください。

では、どういう場合に暖めるのか?
おっぱいが張っているが、乳線が開通している場合(射乳がみられる場合)、暖めてしこりをもみ解しておっぱいを出します。暖めたら、しっかり最後まで絞り出してください。暖めたものの、おっぱいが出ずしこりも取れない・・・となると、もっと張ってくることになります。

開通しているがおっぱいの張りが弱いという方は、ドンドン暖めていただいて結構です。


 
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日本では、病院を退院する時に赤ちゃんのおへそを桐の箱に入れて渡してくれます。しかし、アメリカでは・・・へその緒をつけたまま、退院します。その上、おへそが取れるのに10日~2・3週間かかります。

この違いは、赤ちゃんが生まれた後のおへその処置によるものです。
日本では、へその緒が柔らかいうちに、付け根を細く縛ります。こうすることにより、接着面積を小さくして乾燥しやすくするのです。アメリカでは、そのままの状態で自然乾燥ですから・・・時間がかかる訳です。

時間がかかることのデメリットは、お風呂に入れられないくらいでしょうか?日本では、おへそがついていてもお風呂に入れますが、アメリカの小児科の先生方からは、おへそをお湯に浸けないように指示されます。これも、アメリカと日本の生活習慣の違いからくるものだと思います。

おへその処置ですが・・・
1日3回くらい、オムツ交換のときにおへその消毒をして下さい。70%イソプロピルアルコ-ルを購入し、綿棒を使っておへその付け根を消毒して下さい。アルコールを使用することにより、消毒効果と乾燥効果が得られます。

おへその周りが赤くなったり、おへそから臭いにおいがしたりしなければ、消毒を続けてください。時間がかかりますが、必ず取れます。

 
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アジア系の赤ちゃんには、大なり小なり『新生児黄疸』が出ることが多いです。
新生児黄疸の症状は、
”外見的”には、目の中の白目が黄色く見える。口の周り・顔が、黄色く見える。胸まで黄色い。
”症状として” 泣き声が静かになる。あまり泣かない。寝てばかりいる。おっぱいを飲まない。白いウンチが出た。

このような場合には、早めのチェックアップをおすすめします。
自宅でできることは・・・
1、フォーミュラーを1オンス、毎回飲ませる。
  飲めるだけで結構です。あまりにも飲まないときは、とにかく時間をかけて飲ませてあげてください。そして、翌日早めに受診してください。 

2、日中、窓から入ってくる光を赤ちゃんの体に当てる。
  紫外線には、ビリルビンを分解する作用があります。
  1日1~2回、10分ずつ。赤ちゃんを裸にしておなか側と、背中側に光を当ててあげましょう。 
  これだけでも、ずいぶん黄色みが減ってきます。

日本だと、入院中に黄疸のひどく出る時期を越しますので心配がないのですが、アメリカでは1~2日で退院してしまいますので、一番黄疸がひどい時期をご自宅で過ごさなければいけません。お母さん自身の疲れもとれてない時期ではありますが、しっかり赤ちゃんの様子を観察していてください。
また、赤ちゃんの黄色みは電球の下ではいっそうひどく見えます。自然光の元で、判断してください。

 
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皆さん、赤ちゃんを産んだら、何もしなくてもおっぱいが湧き出てくる・・・と思っている方いらっしゃいませんか?
確かに、そのような方もいらっしゃいます。でも、人数的には少ないと思います。
おっぱいが作られ始める仕組みですが・・・。出産のときに胎盤が後産として外れます。このときに、お母さんの体は赤ちゃんが生まれたことを知っておっぱいを作る準備に入ります。あくまでも”作る準備”です。”出す準備”ではないのです。
では、誰がおっぱいを出す準備をするのでしょう?それも、お母さんご自身です。
日本では、妊娠20週を超えた安定期に入ると、おなか張り具合をみながら乳首のマッサージを始めます。おっぱい全体を触る必要はありません。とにかく、コツコツと乳首のマッサージをします。乳首についているゴミをとったり、マッサージをすることで乳首の皮膚を強くする効果もあります。
ただし、このマッサージをするとおなかが張ってくる方がいらっしゃいます。必ず、最初に専門家に相談することをお勧めします。
妊娠中に、このマッサージをしていただければ、産後3~4日目におっぱいが張ってきたときに、とてもスムーズに授乳できます。母乳育児は、妊娠中から始まっています!
生まれてくる赤ちゃんのために、早めの手当をおねがいします。