赤ちゃんの平熱は、大人よりも少し高めです。発熱の目安としては、摂氏38度/華氏100度くらいでしょうか?
ただし、赤ちゃんの場合熱の高さよりも、活気がないとか、目が潤んでいるとか、その時の様子で判断する必要があります。小さい間は、とてもよく熱を出しますので、慌てず、しっかりと赤ちゃんの様子を見てあげてください。
ただし、 意識障害や呼吸困難、脱水症状などがある場合は、すぐに救急病院へ行ってください。
また、1ヶ月以内の赤ちゃんの場合、症状が急変しやすいので、かかりつけの先生に連絡をして指示を受ける必要があります。ただし、電話をかける前に、部屋の温度と服の枚数をチェックしてみてください。
赤ちゃんは、自分で体温調節するのが下手ですので、部屋の温度が高い場合や、冬だからといって服を着せすぎると、熱が上がることがあります。首の後ろに手を入れて、汗をかいてないかチェックしましょう。
2ヶ月以上の赤ちゃんの場合、下記のチェック項目を観察しながら様子を見てください。
機嫌は悪くないですか?
おっぱいはよく飲んでいますか?
ウンチとおしっこは出てますか?
湿疹など、熱以外の症状は出てないですか?
熱は、何時頃に何度まで上がりましたか?
医者に行っても聞かれますので、体温などは時間と一緒にメモをしておいてください。
では、熱が出た時には、どう対処すれば良いでしょうか?
1、発熱時には、脱水症状を起こしやすいので、しっかりと水分補給をしてください。
おっぱいや水分を取れないようであれば、医師に連絡が必要です。
2、体を暖めたり、冷やしたりしてあげましょう。
熱の出始めは、寒くて手足の先が冷たくなります。この時期は暖めてあげてください。
そうしているうちに、顔が赤くなってきて熱がしっかり出始めます。汗をかいたら着替えをさせて、また、おでこを冷やしたり、脇の下、股の付け根などを冷やすと、熱が下がりやすいです。
3、解熱剤の使い方
熱が38.5度以上が続き、息づかいも荒く、水分も取れない様な場合には、解熱剤の使用も有効です。
普段から、かかりつけのお医者さんに、薬の種類や量の指示をもらっておくと安心ですね。聞いてない方は、電話で連絡すれば教えてくれます。
赤ちゃんの場合、一言で発熱といっても様々です。
しっかり観察、記録をして、心配だったら翌日掛り付けの先生に診てもらってください。
赤ちゃんの口の中の斑点には、大きく分けて2種類あります。
一つは、ミルクカスです。
ミルクやおっぱいの固まりが、口の中に残っているものです。これは、特に問題はありません。
もう一つは、ガコウソウと言われるものです。カンジダ菌が原因です。
カンジダ菌は普通にみられる細菌で、普段悪さをするものではありません。しかし、体力が弱っている人、長期に抗生物質を使った後や新生児などは、感染することがあります。
治療は、抗菌剤の投与が必要になりますので、医師にご相談ください。
また、カンジダ菌は赤ちゃんの口の中とお母さんの乳首を行ったり来たりすることがあります。乳輪部が赤くただれたようになっていたり、強い痛みを感じるような場合には、カンジダに感染してる可能性があります。赤ちゃんの口の中の薬とともに、おっぱいにも塗り薬を塗ってください。きちんと治療するためには治ったと思っても、1週間くらいは余分に薬を使った方が良いでしょう。
ミルクカスとカンジダの見分け方ですが・・・
ガーゼを人差し指に巻き付けて、口の中の白いところを擦ってみてください。それで、白いものが取れれば、それはミルクカスです。取れなければカンジダの可能性が高いと思ってください。
断乳の時期は、親子それぞれの時期があると思います。そろそろかな?と思ったら、お子さんとしっかりお話をして、しっかり飲ませてから断乳しましょう。
断乳の方法には、大きく分けて2つあります。
短期決戦と長期戦です。
長期戦とは、おっぱいの回数を徐々に減らしていって、量を少なくしていくという方法です。
断乳を考える時期ですので、離乳食はしっかり進んでいること思います。
今までの回数を、少しずつ減らしていきます。おっぱいが張ってきたら、少し絞ったあと冷やします。
ぬれタオルでも良いですし、キャベツの葉っぱでもいいですよ。
そうしていくうちに、おっぱいの量は減っていくと思います。
後は、お子さんがおっぱいから離れられるように、しっかりお話ししてあげてください。
短期決戦は、1週間で止める方法です。
急におっぱいが吸えなくなりますので、あらかじめお子さんとしっかりお話ししておくと良いでしょう。
断乳と決めた朝から、おっぱいは触りません。吸わせないと、今まで自分が思っていた以上におっぱいが張ってきますので、あまりにも張ってきたら、少し張りを取る程度絞って冷やします。おっぱいを飲ませる間隔と同じ間隔で絞れば元も子もありませんので、1日に1~2回程度です。触った後は、しっかり冷やしましょう。普段は、キャベツの葉っぱくらいの冷たさで、絞った後は、氷をジップロックに入れて冷やしてください。短期決戦の場合は、パパの協力が不可欠ですので、連休や週末を利用するといいかも?お風呂や寝かせつける時などは、パパにお願いしてください。
1~2日は、長い時間泣いて”もう断乳、やめようか?”と思うこともあるかもしれませんが、3~4日たてばおっぱいもお子さんも落ち着いてくると思います。
断乳の時期に言えることは、
*栄養のあるものは控える
*水分を控える
*お風呂は短めに
*おっぱいをなるべく触らない
*きつめのブラジャーをする くらいでしょうか?
ご質問などありましたら、いつでもメールください。
まず、生まれた赤ちゃんには、大なり小なり『生理的体重減少』がみられます。生まれた時の体重の3~7%くらい減ってしまいます。この現象は、どの赤ちゃんにもみられることですので心配はいりません。
ただ、体重が10%前後減っているようでしたら、とりあえずフォーミュラーを追加した方が良いかもしれません。
体重が減って、3~4日で底を打って、その後増加していく・・・というのが、一般的な体重曲線です。
重さが一番減って、その後増えていく時は、赤ちゃんはとてもエネルギーを使います。
一度、上向きになった体重曲線は、よほどのことがない限り減ることはありません。
そう考えると、だいたい1~2週間で生まれた時の体重に戻るお子さんがほとんどです。
赤ちゃんの体重は、1ヶ月後には1kg増えるくらいが目安です。
ただ、1kg増やそうとすると・・・1000g÷28日=35.7g が一日の体重の増加で必要分です。
この時期の赤ちゃんの体重は、25g~30g/日の増加で十分ではあるんです。
ですから、1kg増えなくても大丈夫です。
赤ちゃんの体重を考える時に、
新生児体重減少でどのくらい減ってしまったか?
その後、どのくらい飲んでいるか?
現在の体重の増え具合はどうか? など、
総合的に考えていく必要があるかもしれません。
赤ちゃんも一人の人間ですので、ロボットのように毎日同じ量を飲んで、同じように体重を増やしていくのは至難の技です。赤ちゃんの体調を考える時に、体重は大きな目安ではありますが、長い目で見てやっても良いかもしれませんね。
機嫌良く、元気におっぱいを飲んでいれば、問題ないように思います。
日本では、病院を退院する時に赤ちゃんのおへそを桐の箱に入れて渡してくれます。しかし、アメリカでは・・・へその緒をつけたまま、退院します。その上、おへそが取れるのに10日~2・3週間かかります。
この違いは、赤ちゃんが生まれた後のおへその処置によるものです。
日本では、へその緒が柔らかいうちに、付け根を細く縛ります。こうすることにより、接着面積を小さくして乾燥しやすくするのです。アメリカでは、そのままの状態で自然乾燥ですから・・・時間がかかる訳です。
時間がかかることのデメリットは、お風呂に入れられないくらいでしょうか?日本では、おへそがついていてもお風呂に入れますが、アメリカの小児科の先生方からは、おへそをお湯に浸けないように指示されます。これも、アメリカと日本の生活習慣の違いからくるものだと思います。
おへその処置ですが・・・
1日3回くらい、オムツ交換のときにおへその消毒をして下さい。70%イソプロピルアルコ-ルを購入し、綿棒を使っておへその付け根を消毒して下さい。アルコールを使用することにより、消毒効果と乾燥効果が得られます。
おへその周りが赤くなったり、おへそから臭いにおいがしたりしなければ、消毒を続けてください。時間がかかりますが、必ず取れます。
アジア系の赤ちゃんには、大なり小なり『新生児黄疸』が出ることが多いです。
新生児黄疸の症状は、
”外見的”には、目の中の白目が黄色く見える。口の周り・顔が、黄色く見える。胸まで黄色い。
”症状として” 泣き声が静かになる。あまり泣かない。寝てばかりいる。おっぱいを飲まない。白いウンチが出た。
このような場合には、早めのチェックアップをおすすめします。
自宅でできることは・・・
1、フォーミュラーを1オンス、毎回飲ませる。
飲めるだけで結構です。あまりにも飲まないときは、とにかく時間をかけて飲ませてあげてください。そして、翌日早めに受診してください。
2、日中、窓から入ってくる光を赤ちゃんの体に当てる。
紫外線には、ビリルビンを分解する作用があります。
1日1~2回、10分ずつ。赤ちゃんを裸にしておなか側と、背中側に光を当ててあげましょう。
これだけでも、ずいぶん黄色みが減ってきます。
日本だと、入院中に黄疸のひどく出る時期を越しますので心配がないのですが、アメリカでは1~2日で退院してしまいますので、一番黄疸がひどい時期をご自宅で過ごさなければいけません。お母さん自身の疲れもとれてない時期ではありますが、しっかり赤ちゃんの様子を観察していてください。
また、赤ちゃんの黄色みは電球の下ではいっそうひどく見えます。自然光の元で、判断してください。
皆さん、赤ちゃんを産んだら、何もしなくてもおっぱいが湧き出てくる・・・と思っている方いらっしゃいませんか?
確かに、そのような方もいらっしゃいます。でも、人数的には少ないと思います。
おっぱいが作られ始める仕組みですが・・・。出産のときに胎盤が後産として外れます。このときに、お母さんの体は赤ちゃんが生まれたことを知っておっぱいを作る準備に入ります。あくまでも”作る準備”です。”出す準備”ではないのです。
では、誰がおっぱいを出す準備をするのでしょう?それも、お母さんご自身です。
日本では、妊娠20週を超えた安定期に入ると、おなか張り具合をみながら乳首のマッサージを始めます。おっぱい全体を触る必要はありません。とにかく、コツコツと乳首のマッサージをします。乳首についているゴミをとったり、マッサージをすることで乳首の皮膚を強くする効果もあります。
ただし、このマッサージをするとおなかが張ってくる方がいらっしゃいます。必ず、最初に専門家に相談することをお勧めします。
妊娠中に、このマッサージをしていただければ、産後3~4日目におっぱいが張ってきたときに、とてもスムーズに授乳できます。母乳育児は、妊娠中から始まっています!
生まれてくる赤ちゃんのために、早めの手当をおねがいします。
昨日まで、お腹の中でのんびりしていた赤ちゃんです。生まれてすぐに、お母さんの期待通りにおっぱいを吸うのは至難の業です。少しのんびりみてあげて下さい。赤ちゃんは、最初の1~2日は、何も飲まないでも生きていけるように、皮下脂肪をつけて生まれてきています。心配しないで、ゆっくり練習してみてください。入院中は看護師さんが手伝ってくれますので、赤ちゃんとおっぱいの相性をみてください。また、お母さんのおっぱいは、順調に行っても2~3日目くらいから張り始めます。出ないおっぱいを吸っている赤ちゃんを、褒めてあげてください。
いろいろな抱き方があります。どれが良いと言うことはありませんので、赤ちゃんが一番飲みやすい抱き方を、考えてあげてください。一般的なのは、飲ませるおっぱい側の肘の内側に赤ちゃんの頭を乗せて、赤ちゃんのおへそと、お母さんのおへそを向かい合わせにするようにして飲ませる方法です。フットボール抱きという抱き方もあります。飲ませるおっぱい側の手のひらで赤ちゃんの頭を固定して、わきの下で抱える方法です。何かクッションでも置いておくと固定します。すこし胸が小さめの方は、立て抱きが良いでしょう。赤ちゃんの股を開いて、飲ませる側のお母さんの足にまたがせるようにします。そして、赤ちゃんの首を持って固定します。親指と中指が赤ちゃんの耳の後ろにくる感じです。
このようにいろいろな方法がありますので、いろいろ試してみてください。